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事業報告 2015年(平成27年)度 | 日本対がん協会

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公益財団法人 日本対がん協会

2015

年度

事業報告

公1事業 がん知識・がん予防の普及啓発活動

【ピンクリボンフェスティバル】

ピンクリボン月間初日の10月1日に東京で開かれた「夏木マリライブ&トー

ク」を皮切りに、各地の啓発活動をスタートした。東京、神戸、仙台でスマイ

ルウオークを、東京、大阪、神戸、京都でシンポジウムを開催し、計約 1 万 2

千人が参加した。月間が始まる直前にタレントの北斗晶さんが乳がん罹患を公 表したこともあり、イベント参加者の関心の高さは例年以上で、検診の受診方 法や最新の治療情報などについての専門医の話に熱心に耳を傾けていた。東京 と神戸のウオーク会場ではマンモグラフィー検診の無料体験を実施した。シン

ポジウムは 4 会場共に満席で、精神腫瘍医による「心のケア」の講演も好評だ

った。京都シンポジウムは日本癌治療学会学術集会に合わせて行われた「Cancer

Month Kyoto 2015」の一環として開催。婦人科がんについての啓発も合わせて 実施した。

啓発ポスターのデザインなどを公募する「デザイン大賞」には 1 万 5 千点を

超える作品が寄せられ、グランプリ作品を使用したポスターをピンクリボン月 間中、各地に張り出した。

映像による啓発を進める「ムービーサプライ」では 3 作品をリリース。神戸

では空港や三宮のショッピングモールで繰り返し放映され、自治体や検診機関 などでも活用された。

今後も「乳がんの早期発見・早期診断・早期治療の大切さを伝える」という 目標を掲げ、受診率の向上を目指すと共に、増え続ける患者を支援する事業を 展開したい。

【リレー・フォー・ライフ(RFL)】

がん患者を支援すると共に、がん予防への関心を高めがん征圧を目標とする

チャリティー活動。1年の活動の集大成ともいえるリレーイベントは、前年度よ

り4カ所多い全国47 カ所で開かれ、過去最多の 8 万2019 人が参加した。そ

のうち主役のサバイバーは 4401 人で、チーム数は 1513 に上った。新規開催

地は青森、釜石(岩手)、鶴岡(山形)、新潟、一宮(愛知)、佐賀、浦添(沖縄)

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2 取りやめた。

ボランティアの実行委員や学生からの支援も年々広がっている。参加者を募 るため、知り合いへの口コミやマスコミを通じた広報活動が積極的に行われ、

約 2300 個の募金箱が全国のお店や会社で設置された。また、イベント当日は、

特設テントによる禁煙啓発や医師のトークセッションが多くの会場で実施され

た。協会グループ支部の協力もあり、全国で12台の検診車が稼働し、がんの早

期発見・早期治療を訴えた。15年12月には各地のRFL実行委員長ら関係者を

集めて、米国乳がん患者団体「IBC ネットワークファンデーション」代表のテ

リー・アーノルドさんを講師に招き、「アドボケイト活動とファンドレイジング」

と題したセミナーを開いた。

15 年度の協会への寄付額は実行委員会から 5360万円(前年度比375万円減)、 企業・個人から2979万円(同975万円増)で合計 8339 万円(同600万円増)。

前年度と比べて7.8%増えた。実行委員会からの寄付減を企業・個人寄付で補っ

た形だ。

15年度は、協会代理人として活動するスタッフパートナー制度を初めて設け、

中部地方の2人と契約した。2人の活躍で連帯感が増している。スタッフパー

トナーは今後も増やす方針で、16年度は中四国地方の1人と委任契約を結んだ。

16 年度はリレー・フォー・ライフ・ジャパン 10 周年でもある。イベントの

際に 10 周年を掲げて盛り上げを図り、リレー・フォー・ライフのさらなる認 知度向上を目指す。

【がん教育】

2010年度から各地の小中高校に訪問して、がんの正しい知識や命の大切さを

教える「がん教育モデル授業」を、15年度は6都県8校で実施した。これで10

年度以降に実施したモデル授業は 17 都府県 29 校となった。また、動画 DVD

教材「がんちゃんの冒険」「がんって、なに? いのちを考える授業」を追加作

成して、ホームページ上で利用を呼び掛けたところ、教育委員会など23の行政

機関、小中高大学29校、15の企業・団体からDVDの提供申し入れがあり、16

年 4 月までで計約 1千枚を提供した。中には岩手県のように「県内すべての小

学校に DVD を配って利用してもらう」という教育委員会もあった。このほか、

奥仲哲弥・山王病院副院長の協力を得て、新たな動画 DVD 教材「Dr.奥仲の熱

血出前授業」の製作にも着手した。15 年度の奥仲副院長によるモデル授業や禁

煙教室を映像化したもので、16年5月に完成した。

がん教育の高まりを受けて、「がんをどのように教えればよいか」というテー

マで教師向け研修会を開催する教育委員会が増えてきた。協会はこうした研修

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3 け研修会に参加・協力した。

文部科学省は現在、学習指導要領にがん教育を盛り込む方向で検討している。 学校教育に正式にがん教育が盛り込まれると画期的なことになる。協会では、

その後押しになるような活動を16年度も展開していきたい。

【その他の対がんキャンペーン】

① ほほえみ基金キャンペーン

埼玉西武ライオンズが2015年5月6日に西武ドーム球場で開いた乳がん・子

宮頸がん検診啓発イベント、イオンバイク社が同年11月1日に千葉市で行った

ピンクリボン支援のサイクルレースイベントに協力して、それぞれ当協会のブ ースを出展した。また、協会を支援する企業の勉強会へ講師を派遣するなど啓 発活動に力を入れた。受診率向上キャンペーンとして行っている協会オリジナ

ルの無料検診クーポン券は、乳がん無料クーポン券を 1 万枚、子宮頸がん無料

クーポン券を1500枚、それぞれ発行した。乳がんクーポン券のうち4000枚は

千趣会提携によるクーポン、1000枚は森永乳業提携によるクーポン券だった。

ほほえみ基金は、ピンクリボンフェスティバル、がん啓発団体助成(公2)、

がん相談(公3)、乳がん患者向けセミナー(公3)にも充当した。

② がん征圧月間キャンペーン

9月のがん征圧月間の中心的事業である「がん征圧全国大会」と同記念シンポ

ジウムを9月3・4日に前橋市で初開催した。3日のシンポジウムでは「より精

度の高い検診を目指して~子宮頸がん・胃がん」と題して、厚労省がん対策・

健康増進課の正林督章課長(当時)、島根県立中央病院の岩成治副院長、大阪大

学大学院医学系研究科の祖父江友孝教授らが参加して講演、活発な議論を展開

した。4日の全国大会では、日本対がん協会ほほえみ大使のアグネス・チャンさ

んが「明るくさわやかに生きる~アグネスが見つめた生命」と題して、自らの

がん経験を通しての思いを語り、会場を埋めた約1300人から大きな拍手が寄せ

られた。

③ 禁煙キャンペーン

小学生と保護者を対象にした健康教室を、朝日学生新聞社と共同で15年8月

8・9日、11 月7 日に実施した。講師は山王病院の奥仲哲弥副院長。「親子でタ

バコについて考える」をテーマに授業を行った。なお、この様子を撮影したビ

デオを16年5月、DVD化して、がん教育の教材とした。

8月8・9日の健康教室では、奥仲副院長の講演のほかに、禁煙ポスター展示

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4 興味と理解を深めてもらった。

④ 国際対がん活動と連携した活動

2 月 4 日の国際対がん連合(UICC)の「世界対がんデー」に合わせて 2016

年 2 月 6 日、公開シンポジウム「小学生のがん教育とがんの子ども」をUICC

日本委員会とともに、佐賀市で開いた。がんサバイバーや教育関係者をはじめ

300人以上の方が参加した。

【啓発セミナー】

① 全国巡回がんセミナー

検診と早期発見の大切さを、全国を回って啓発する「全国巡回がんセミナー」

を兵庫県と宮崎県の2会場で開いた。当協会の垣添忠生会長の基調講演のほか、

兵庫会場ではタレントでがんサバイバーの原千晶さん、宮崎会場ではジャーナ リストでがんサバイバーの鳥越俊太郎さんが講演した。

② 乳がんセミナー

企業とタイアップして各地で年 4 回開催した。地元の当協会支部から医師や

保健師を派遣してもらい、企業の社員ら 30~100 人を対象に、乳がんの基礎知

識やセルフチェックの方法などを学んでもらった。

③ 遺贈セミナー

遺贈による寄付の増加をにらんで、遺贈と相続財産の寄付に関するセミナー を2015年11月13日に東京、16年3月13日に大阪で開催した。当日は垣添会 長の講演と、三井住友信託銀行の財務コンサルタントによる相続と遺言につい ての講演があり、遺贈承継のための対策として社会貢献団体への遺贈の意義に ついて語って頂いた。質疑応答も活発で、実際に生じている相続問題について 質問する参加者もみられた。

【広報】

機関紙「対がん協会報」を、ほぼ例年並みの毎月約1万1千部発行したほか、

2種類のがん啓発リーフレット、2種類の啓発ポスターを作った。リーフレット

については、「がん検診」を約19万1千部(前年度比約9千部増)、乳がんのセ

ルフチェックを約54万3千部(前年度比約4千部増)作成。ポスターについて

は、「がん征圧」を約5万1千部、「禁煙」を約3万9千部、それぞれ例年並み

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5

兼ねている。年々取り上げてくれるメディアも増え、質・量ともに向上してい る。協会報、リーフレット、ポスターはグループ支部をはじめ、各地の自治体、 保健所、病院、医院などに頒布し、掲示してもらっている。特にリーフレット

は支部以外からの注文が増えており、2015年度は各1万部追加印刷したが、ほ

ぼ完売だった。

協会の活動や全体像を紹介する「協会案内」は約 5 千部作った。読みやすい

レイアウトやわかりやすい文章でイメージ向上を心がけ、寄付についてのペー ジを増やし、協賛企業の紹介を裏表紙に置くなど、寄付の増加に結びつけるこ

とを目指した。協会ホームページ(HP)は、がんや検診に関する各種データを

充実させるとともに、更新頻度を増やした。月間のアクセス数は約10万ページ

ビュー(PV)。特にがんについての基礎知識、がん検診、がん教育のページへの

アクセスが多い。閲読率の高いコンテンツについては、スマートフォン対応を 施した。スマートフォンからのアクセスが増えているため、今後もスマホ対応 のコンテンツを充実させる。

支部からの公募で毎年、「がん征圧スローガン」を制定しているが、各地の自

治体やメディアなどからの使用依頼が増えている。積極的にPRしていきたい。

公2事業 専門家・専門団体向けの支援事業

【がんと診断された時からの相談支援事業】

厚生労働省から 2014 年度に委託を受けた事業。15 年度が最終年度で、最終

報告書と報告書資料集をまとめた。この事業は、がん患者・家族の多様な悩み や不安に対してワンストップで対応するための「地域統括相談支援センター」 の活性化と全国への普及が目的。検討委員会を設けて、各種調査を実施し、そ の結果などを踏まえて普及策や、同センターの活用も含めた地域の相談支援機 能のあり方について検討した。

15 年度は、同センターを設置した先進地の訪問調査や、がん診療連携拠点病

院の医療従事者、患者団体、行政関係者によるがん相談支援のあり方を探るシ ンポジウム、都道府県への「がん相談の支援体制」に関するアンケート、がん 相談のニーズを探るインターネット調査を実施。これらの調査結果を報告書資

料集としてまとめるとともに、14・15 年度で計 11 回開いた検討委員会での議

論をまとめ、より良いがん相談への提言を示した。

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ん相談支援センターを初診時に紹介して認知度を高めることも提言した。

報告書は2810部、報告書資料集は1810部作り、都道府県、がん診療連携拠

点病院、厚生労働省・文部科学省の記者クラブなどに送った。

【助成】

① 「プロジェクト未来」がん研究助成

リレー・フォー・ライフに寄せられた募金をもとに、優れたがん研究に対し

て助成金を贈る「プロジェクト未来」は 4年目を迎えた。2015年度の応募総数

は 87 件で、前年度に比べて 18 件増えた。大学や病院、個別の医師・研究者

らへの呼びかけに力を入れた結果だ。内訳は「基礎研究・臨床研究」64 件、「患

者・家族ケアに関する研究」23 件だった。医師や研究者、リレー・フォー・ラ

イフのボランティア実行委員会スタッフで構成された審査委員会が厳正に審査

した結果、20 件の助成を決めた。助成金総額は前年度より500万円増の2千万

円だった。

② 若手医師奨学制度

2010 年度より公募を始めた「リレー・フォー・ライフ マイ・オンコロジー・

ドリーム奨励賞」は、授賞者を米国で 1 年間研修させるプログラムを用意して

いる。15年度の公募から、従来のテキサス大学MDアンダーソンがんセンター

だけでなく、シカゴ大学医学部を新たな研修先として加えた。

11人から応募があった。選考の結果、テキサス大学MDアンダーソンがんセ

ンターには岩瀬俊明医師 (千葉大学医学部附属病院勤務 臓器制御外科医員)

と及川将弘医師 (にゅうわ会及川病院乳腺外科副部長)、シカゴ大学医学部に

は鳩貝健医師 (国立がん研究センター東病院勤務 消化管内科がん専門修練医)

を研修派遣することを決めた。奨学金は渡航費を含み250 万円で、リレー・フ

ォー・ライフの寄付をもとにしている。16年度に支給して研修を始めてもらう

予定。日本の奨学医制度の中でも、当協会の海外留学は論文や研究報告といっ

た縛りが少なく比較的自由度が高い。なお14年度に選考した三浦裕司医師(虎

の門病院臨床腫瘍科)、森川直人医師(岩手医科大学呼吸器・アレルギー・膠原

病内科)に対しては15年度、奨学金を支給した。

国内奨学医については 3 人の応募があり、このうち浜部敦史医師(大阪大学

大学院医学系研究科)が15年4月から半年間、国立がん研究センター東病院で

研修した。奨学金は 100 万円。なお今後は海外への奨学医制度をより充実させ

るため、国内奨学医制度については15年度で中止する。

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乳がん患者・啓発団体が実施する啓発イベントや企画を対象に、毎年10団体、

合計100万円をほほえみ基金から助成している。15年度は大阪の団体「クール

カフェ」が開いた「乳がんの告知直後の心のサポートを考えるセミナー」など

に助成した。これとは別に、名古屋市で開かれた「第1回がん就労を考える会」

に15万円を助成した。

【研修】

① 乳房超音波技術講習会

公益財団法人結核予防会、NPO法人日本乳がん検診精度管理中央機構(精中

機構)と共催して2016 年2月 6・7日に実施した。検査に従事する 48人が参

加。講義や読影、装置を使った実技を学んだ後、受講生は最終日に認定試験を 受けた。

② 保健師・看護師研修会

16年3月3・4日に実施。当協会のグループ支部、自治体・関連団体等に所属

する保健師・看護師や事務員ら67人が参加した。共通の悩み・課題について意

見交換をしたり、勇気づけのワークショップを行ったりした。

③ 診療放射線技師研修会

16年3 月9~11日に結核予防会と共催し46 人が参加した。講義やグループ

討論、さらにフイルム評価やポジショニングなどを行った。

④ マンモグラフィー撮影技術講習会

16 年3 月 25~27 日にがん研究会交流センターで開催。48 人が講義や読影、

実技実習を受け、精中機構が実施する認定試験に41人が合格、好成績だった。

【表彰】

① 朝日がん大賞

将来性のあるがん予防の研究開発や活動を行っている個人・団体を顕彰する

賞で、2001年度に設けられた。副賞は100万円。

2015年度は一般社団法人日本がん治療認定医機構(平岡真寛理事長)に贈ら

れた。同機構は、日本癌学会、日本癌治療学会、日本臨床腫瘍学会、全国がん

(成人病)センター協議会の 4 団体の連携で 06 年に設立。15 以上のがん患者

団体とも連携しながら、国などの公的資金を使わず、患者中心のがん治療認定

医(身近にいるがん治療の総合医)をこの10年で約1万4400人育成し、がん

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② 日本対がん協会賞

長年がん征圧活動に貢献した 5 人と1団体に贈った。個人の部は群馬県がん

患者団体連絡協議会顧問の本田攝子氏、前鹿児島県消化器がん検診推進機構会 長の澁江正氏、水戸協同病院名誉院長の三井清文氏、NTT西日本大阪病院総 長の今岡真義氏、愛媛県医師会長で久野内科院長の久野梧郎氏の5氏、団体の 部は日曜日にも乳がん・子宮頸がん検診を実施している加古川総合保健センタ ー。

公3事業 がん患者サポート事業

【無料がん相談事業】

① がん相談ホットライン

2015年度は相談員17人で対応した。相談件数は1万2168件、前年度比1590

件増(15.0%増)で、過去最高となった。複数回利用した相談者が4429件で全

体の36.4%を占め、前年度の3190件(全体の30.2%)から大幅に増えた。

「相談者の言葉に耳を傾け、相談者が次の一歩を踏み出せるような支援を目 指します」というホットラインの理念のもと、単なる情報提供に終わらず、相 談者の真の悩みに対応していることが信頼につながっていると思われる。雑誌 や書籍で電話番号が掲載されたことや、芸能人のがんの公表や他界したニュー スも相談件数増加の要因の一つになった。

相談者は患者本人が最も多い。がんの疑いがあり精査中の方、症状があるが 未受診の方など様々な状況の方からも、相談が寄せられた。治療中から利用し、 家族が他界した後にグリーフケアとしてホットラインを利用する方も目立った。

② 医師による相談

相談回数は288回(面接104回、電話184回)で、1187人の相談に対応した。 部位別では、面接では前立腺が一番多く、次いで乳房、肺、膀胱、大腸。電話 相談では乳房、大腸、肺、胃、膵臓の順だった。いずれの相談も東京、神奈川、 埼玉、千葉からが多く、首都圏以外では大阪からの電話が多かった。

③ 乳がん電話相談

母の日に合わせた5月と乳がん月間の10月、乳がんに特化した電話相談「乳

がん電話相談ウイーク」を開設し、計78人の相談を受けた。

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乳がん患者向けに治療、治験、新薬、各種乳房再建の最新情報セミナーを16

年3月13日に開催した。このほか、治療による美容上の副作用をカバーするた

めのウイッグセミナーをカネカの協力で 2 回開いた。顔を中心にした美容セミ

ナー、ネイルケア・ハンドケアを中心にした美容セミナーも、それぞれ資生堂

の協力で1回ずつ開いた。

これとは別に資生堂の協力で、女性のがん患者全般を対象にした「並木通り セミナー」を年に数回開いた。

なお公1事業のピンクリボンフェスティバルでも、治療の最新情報などのシ ンポジウムを主に患者向けに開いている。

【東日本大震災被災地のがん患者支援】

大震災被災地のがん患者のために、ウィッグやケア帽子などを送るワンワー ルドプロジェクト。ボランティアが手作りしたグッズを応援メッセージと共に、

12月のクリスマス前に送った。プロジェクトの活動はこれが最後となる。

公4事業 がん研究支援事業

【がん政策研究の成果の普及啓発、均てん化を推進する事業】

2014年度に厚生労働省から委託を受けた「がん対策推進総合研究推進事業」。

医療の地域格差を解消するため、厚生労働科学研究費補助金(科研費)を受け た研究成果を、発表会や研修会を通じて一般市民や医療者に普及させる事業で、

16年度まで3年計画の予定。

15年度は、同事業で設けた専門委員会が一般向け発表会2件、医療者向け研

修会 8 件、研究成果発表会 1 件の実施を承認し、厚労省からの委託金で開催し

た。このうち研究成果発表会は16年2月に東京で開かれ、働くがん患者の職場

復帰支援に関する研究など30件の研究課題が発表された。発表内容は抄録集と

して発行し、当協会のホームページにも掲載した。

【新しいがん検診のあり方について、調査、研究を支援する事業】

厚生労働省の「がん検診の在り方検討会」が、胃がん検診での内視鏡検査導

入を図る一方、検診対象者については 40 歳代を外し、50 歳以上についても検

診間隔を1年に1回から2年に1回に変更することを検討した。当協会は急き ょ、がん征圧全国大会記念シンポジウムで胃がんについても討論。議論の内容

を踏まえて15年9月、結核予防会や予防医学事業中央会と連名で、厚労省健康

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のため、これまで以上に強力な対策を打ち出してほしい。

今後、人口構成の変化や、年代別のピロリ菌感染率の激変から、胃がんの罹 患は大きく変わることが確実視される。胃がんに限らず各種がんの罹患率の変 化に備え、将来の検診のあり方を検討することが重要だ。そこで協会では、将

来のがん検診のあり方を検討する委員会を 16 年度に設けることにし、15 年度

後半から検討会メンバーの人選や準備を始めた。

これに伴い、15 年度に新規事業として計画した「乳がんリスク層別化研究事

業」は1年間先送りして、16 年度に検討委員会の議論と平行して進めることに

した。

(11)

事業報告付属資料 2015年度の助成審査の結果一覧

助成名称 助成内容 応募対象・助成数

(応募数)

助成決定先

(敬称略)

金額(計)

ほほえみ基金助成 乳がん啓発活

動団体のイベ ント、企画助成

全国の乳がん啓発 団体、患者会

10件助成 (応募17団体)

ピンクリボンin SAPPORO、いわてピンクリボンの会、くまがやピンクリボン

の会、山梨まんまくらぶ、クールカフェ、奈良ピンクリボンアピール、ピンク リボンえひめ協議会、ハッピーマンマ、ぴぉ~ね(がん患者支援の会)、あおぞ ら会

100万円

=10万円×10件

国内奨学医助成 研 修 の た め の

奨学金

若手がん専門医 1人(応募3)

浜部敦史 100万円

マイ・オンコロジー・

ドリーム奨励賞

米国テキサス大学

MDACC、シカゴ

大学医学部で研修

若手がん専門医 3人(応募11)

岩瀬俊明、及川将弘、鳩貝健 750万円

=250万円×3人

プロジェクト未来 研究助成

がん研究、患者 家族支援

全国のがん研究者

20人(応募87)

青木正博、梅田雄嗣、奥野友介、神奈木真理、駒野淳、田中正光、月田早智 子、長山聡、能正勝彦、原田浩、山本博幸、明智龍男、内富庸介、遠藤源樹、 北野敦子、里見絵理子、清水研、津端由佳里、津村麻紀、古屋充子

2000万円

=1人50万~200万円

上記は「助成対象の審査に関する規程」に則り、日本対がん協会の助成審査委員会で審議され決定した助成先の一覧。

参照

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